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先日注文していた「夕凪の街 桜の国」が届きました。
絵のタッチでピンとくる方もおられると思いますが、
単館上映から始まり、つい先日興収10億を突破した
映画「この世界の片隅に」の原作を書かれたこうの史代さんの漫画です。
元はこちらの作品の方が先に書かれたものですが、舞台設定は
広島の原爆から10年後。つまり、「この世界~」の約10年後の
話なのです。

この話は【夕凪の街】【桜の国】の二部構成になっています。
詳しくは読んでもらいたいので語りませんが、【夕凪の街】は
かなり重いです。「この世界の〜」の原作や映画を見た後に読むと
より一層重さを感じます。昭和20年8月6日、広島原爆を生き抜いた
一人の女性の苦悩。彼女の戦いは戦後も続いていた・・・。

【桜の国】は実は【夕凪の街】の主人公だった女性の弟が
登場します。(夕凪の街では疎開して茨城にいた)彼がそれから
歳を重ね、所帯を持ち東京で暮らし始めます。それから
彼は退職し、ある日ふらりと広島へと旅に出ます。それを見かけた
娘は父が何故広島へと向かったか、偶然出会った旧友と共に
尾行。そこで彼女たちが見た真実とは。

正直、読み終えてこの話も映画化してほしいなと感じました。
自身としては一回読んだだけでは人物の関係性が掴めなかったの
ですが、その後何度か読むと物語の伏線や過去と現代の繋がりが
分かってきて、その瞬間まるでジグソーパズルの空白だった所に
ピースがはまっていくかのような。そんな感覚になります。

被爆二世と被爆者差別の問題。これは、最近では2001年3月11日の
東関東大震災で、放射能漏れがあった地域に住まわれていた
方々への昨今の差別も似たようなものがあります。
あとがきにて作者さんは「原爆の惨禍を伝えるのは大事だが、
正しくが大前提。間違えると無駄に不幸せになる人がいる」と書かれて
おります。被災地の東北から来たから「放射能がうつる」などと
言いがかりをつけ、学校ではいじめ等に発展するというニュースも見かけます。

誤った見解をしないためにも、自分から本当に正しい事実を見極める。
そういった考えもまた、大切ではないでしょうか。
この本を読み、改めて考えさせられました。